新人介護職さんへのアドバイス 03

今回は認知症の利用者のケアの仕方と、認知症とはそもそも何なんだい?
という数多くの新人職員が壁にぶつかる内容をリアルガチで参考署並みに記事にしました。
ここから更に自学をしていって欲しい内容なので、少々堅苦しいですがお付き合いください。

このブログは教科書や参考書に載っていない、リアルな老人施設介護の内容を新人職員さんに出来るだけ分かりやすく言語化して記事にしています。
Twitterをやっています。フォローしていただけると泣いて喜びます。

twitter.com

 

 認知症利用者の対応の仕方

認知症と言われる症状は、脳の病気です。
大きく分けて4つの種類に分類されます。

アルツハイマー認知症
記憶を司る海馬を中心に頭頂葉までの広範囲で脳が委縮する事によって起こります。

頭頂葉:位置や空間を把握する
海馬:記憶を司る。大脳辺緑系


前頭側頭型認知症
人格を司る前頭葉と情報を処理する側頭葉が委縮する事によっておこります。
人格が変化して思いのままに行動しようとする。言葉の理解ができなくなるなどの症状が現れます。

前頭葉:理解、感性などの人格や判断、計画、実行、振り返る機能を司る。


レビー小体型認知症
記憶を司る海馬から、視覚を司る後頭葉までの範囲で血流が悪くなり、機能が低下することによって起こります。

脳血管性認知症
脳梗塞を多発した人が発症するケースが最も多く、脳血管障害の大きさが認知症の程度と関係してきます。
脳血管性認知症は脳血管の異常によって起こる認知症の総称です。

 上記にある4つのタイプの認知症の症状を理解する事によって、後に記述しますが行動性心理症状(BPSD)が出た時に対応の仕方が少しずつ分かってきます。
認知症という症状は、上記に記述した症状の他に性格、生活歴など様々な因果関係で一人ずつ全く予知しない行動に出る事があります。
BPSDが出て症状が落ち着くまでは、個人の尊厳を理解して対応する事が求められます。

認知症利用者への対応方法として、エマニチュードという対応法があります。

エマニチュードとは?
「人間らしさを取り戻す」
という意味のフランス語です。
フランス発祥の認知症ケアの技法です。

エマニチュードには4つの柱があります。

見る:水平に見る。正面から見る。近くから見る。

話す:優しく穏やかに話しかける。ケアの内容を実況する。

触れる:感度が低い部分から触れる。広い面積で触れる。
     ゆっくり優しく触れる。

立つ:1日20分立つ時間を作る

これらの対応をする事によって、利用者に不信感を与えずにそばに居ますよという安心感を提供する事ができる技法です。

これは技法の一つです、一人ずつ性格も生活歴も持病も違います。
なので1日でも早く利用者の特徴を把握す事も必要になります。

先輩社員はタメ口などで利用者と話している場面を見る事が多いと思います。
なぜそれができるかというと、信頼関係を築けているのでタメ口でお話をしても利用者は、友人や家族と話しているのと変わらないのです。

敬語と言ってもあまりにもかしこまり過ぎて利用者に緊張を与えてしまっても良くないので、フランクに声をかけ、お話をするという事を忘れないようにしてください。

認知症利用者の特徴として、夕方ごろに家に帰りたくなる
夕暮れ症候群という症状があります。
特に女性利用者に多いという経験があります。
家族の夕飯を作ってあげなくては…
小さい頃の記憶もよみがえり、早く帰らないと親に叱られるという思いも出てくると、実際に経験しました。

このように行動が急に帰りたくなったり、性格が変わったように攻撃的な発言になったりすることがあります。
そういう症状を行動心理症状(BPSD) と言います。
行動心理症状とは周囲の不適切なケアや身体の不調、不快、ストレス、不安などの心理状態が原因となって現れる症状です。
例えば、
・怒りっぽくなる。
・妄想がある。
・意欲がなく元気がない。
・一人でウロウロ動き回る。
・興奮したり暴言を言い続けている。
などの症状を言います。

このような症状が現れたりした場合の対応の仕方で、僕が実践して落ち着いてもらえる事が多くなった対応法があります。

原則、利用者の状態を否定せずその利用者のストーリーに入り込むイメージで話を聴く事から始めます。
そして落ち着いてきたと思ったら、さりげなくトイレ誘導をしてパンツに失禁がないかなど不快症状がないかを確認します。
排泄失禁などがなければ、次はお腹がすていないか聞きます。お腹がすいたと言われたら次の食事の時間を一緒に確認をして
「今、一生懸命作っているので、もうしばらくお待ちいただけますか?」
と話をしてリラックスできる空間へ案内をします。

さりげなく解除を行いBPSDを引き起こさないようにすることが重要です。
認知症だからといって、いい加減な対応、あいまいな対応はやめましょう。
ますますBPSDを引き起こす要因となります。

今回は以上となります。
ご完読ありがとうございました。