新人介護職員さんへのアドバイス 04

新人介護職員さんに読んでほしいブログです。
この記事を読むことによって、いち早く先輩職員さんとの人間関係が構築されます。
このブログは教科書や参考書に載っていない、リアルな老人施設介護の内容を新人職員さんに出来るだけ分かりやすく言語化して記事にしています。
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前回のブログは認知症の利用者の対応について記事でした。
今回は現場での利用者の接遇の一部と整容についてを記事にしたいと思います。

施設介護を行う上で避けて通れないのが、利用者とのコミュニケーションです。
様々なパターンと共に解決法を新人職員さんに読んでいただくことによって解決していけたら幸いです。

利用者との関わりについては毎日の事なので慣れてくると、タメ口で話してしまったり、命令口調になってしまったりと気づいた時には、先輩職員の悪い所が前面に出てしまっている事が多々あります。
あまりにもかしこまってしまっては、利用者にも緊張をさせてしまう事となります。
フランクにさりげなく敬語を使う事によって利用者は大切にされているなどの安心感を持ってくれます。
その安心感が、その後の介助に影響してきます。

なぜタメ口はいけないの?
という疑問も多々聞きます。
なじみの関係にあるのだから、敬語を使う事によって逆に緊張させてしまうのでは?
という意見も僕が内部研修で行った意見でもありました。

基本的な考え方として、利用者は介護保険を利用しながらお金を払って施設に入居して生活をしていただいています。
利用者=お客様
の認識を忘れないようにしましょう。
しかし最近は昔、三波春夫さんの有名な言葉で
「お客様は神様でございます」
という言葉が間違って解釈されている事例が増えてきているのが現状です。
お客様だからと言って、お金を払っているからと言って何を言っても、何を要求しても良いわけではありません。

無理な要求をしてくるお客様の事をカスタマーハラスメントというようにもなってきました。
もうその時点でサービス提供とお客様の図式は崩壊しているわけで、無理にお客様の要求をかなえる必要はないと考えています。
ですが、施設介護においては利用者、そのご家族から無理難題を要求される事は多々あります。
御家族の要求については相談員やケアマネに
「現場でカンファやモニタリングをした所、現状ではできませんが〇〇をしてみる事によって、現状が良くなる可能性もあるのでなるべく意に添うように改善していきます。」
と伝えてもらうのがベストな現場での対応だと思っています。
利用者には現状を説明して、身体的にできる事、できない事を説明して、物理的にもできる事、できない事を説明するのがベストだと思っています。

このコロナ禍で面会制限があり、実際にユニットやフロアにご家族が来られる事も無くなり更に居室まで来られる事もなくなり、だらけてしまっているユニットやフロアがある事も現実です。
ましてや人手不足の中あれをやって欲しい、これをやって欲しいと訴える利用者、ご家族がいて職員のストレスにもなっているのが現実です。
その状況を変える事ができるのは日頃の利用者との信頼関係を築く事、ご家族の信頼を得る事。
そのためには接遇(声掛け、会話)も介護技術の一つと考え取り組んでいく事が必要となってきます。

実際に僕が経験した例として、古い服ばっかり着せている。
と面会の時に怒られてしまった事がありました。

そこでユニットでカンファを行い改善点をみんなで出し合いました。
意見で出たのが、
・毎日業務ばかりに集中してしまっていて利用者の整容などに気を遣えていないのではないか?
この意見がユニットの最大課題になりました。

時間予定をして面会に来ていただくご家族に対しては、面会時間までにトイレ介助を済ませ、髪の毛をといて、服もなるべく新しい物を着ていただき面会してもらう。
ご家族にとっては、以前渡した新しい服を着てるわ、この施設の職員さんは気を使える優しい職員が多いなという印象にも繋がります。
それが施設全体の評価にも繋がっていくので、こういう事を常に意識していく事が大切です。

悪い例として急な面会が入り、服はヨレヨレで食事で汚れたと思われる服を着させられている。髪の毛は寝ぐせだらけで、笑った時に歯も食物残差がついている。
どうなっているんだ?この施設は?おじいさん、おばあさんが苦労していないだろうか?
とご家族は考え施設に対して不信感を抱くことになり、施設全体の評判も落としてしまう事になります。
こういう時にご家族から無理難題を言われる事が非常に多いです。

なので服がヨレヨレで古くなってきた場合は、ご家族に連絡を早めにして持ってきていただく。
なるべく季節にあった服を用意してもらえるようにしていただく。
選択が戻ってきたら先出し先入れを厳守して、同じ服でローテーションしない。
などの意識をもって利用者の生活に関わる事によって、ご家族にも安心していただけるという事を理解してください。

「タンスがいっぱいで新しい服が入りません」
と、言ってくる職員もいますが、ではどうしたらタンスの服を減らす事ができますか?
とロジカルに順序だって説明していきます。
正解は利用者と一緒に時間がある時を見つけて、古い服や着ない服を選んでもらい、家族に連絡してもらい古い服や着ない服を持って帰っていたでき処分する。
その際は、まだ新しい服、着れる服が何着あってこれ以上タンスの中に入らないという事も伝えてもらいましょう。
「また服が古くなってきたり、ヨレヨレになってきたら連絡させていただくのでそれまでは新しい服は持ってきていただいてもタンスに収納できないので、連絡させていただいてからもってきていただいてもよろしいですか?」
と伝えてもらうか、返却する際に使う袋や箱の中に、御家族へと封筒に上記に記した内容をお手紙に書いて入れてお渡しする形も良いと思います。

利用者の整容に関しての記事になってしまいましたが、整容というのは個人の尊厳にも関わってきます。自分の着たい服を着てユニットやフロアに出てきていただく事で活動意欲も湧いてきます。
起床介助の際も、寝ぐせをしっかり取り、目やにもふき取ってかも拭いたり洗っていただいたりと朝の起床時ルーティーンを作り上げていく事によって利用者の生活リズムも出来上がってきます。

整容の記事がほとんどになってしまいましたが、一つの介助を説明するにも約3000文字必要になってしまいます。
こういう事が更にコンパクトに分かりやすく言語化していける事で、介助のエビデンス(根拠)
を求められた時に明確に答える事ができます。

特に特養や老健では看護職から介助に対してのエビテンスを求められれる場面が数多くあります。
その際に説明できないような介助をしていたら叱られたり、介護職員の評価を落とす原因にもなります。
しっかりとエビテンスを意識した介助をしていきましょう
今回はここまでとなります。
ご完読ありがとうございました。