新人介護職員さんへのアドバイス 05

新人介護職員さんに読んでほしいブログです。
この記事を読むことによって、いち早く先輩職員さんとの人間関係が構築されます。
このブログは教科書や参考書に載っていない、リアルな老人施設介護の内容を新人職員さんに出来るだけ分かりやすく言語化して記事にしています。
Twitterをやっています。フォローしていただけると泣いて喜びます。



twitter.com
今回の記事は介護現場における食事の際の注意点を記事にしていこうと思います。

この記事を読んでいただいている皆さんは、外食に行った際にこのお店にまた来たいと思うようなレストランや、お店はありますか?
僕はまた来たいなと思うお店の特徴として、
・清潔感がある
 ( 机、調味料などが清潔に保たれている、床に汚れがない )

・店員さんの接客対応が気持ち良い

・提供された食事の盛り付けがキレイにされている
 ( 箸やフォーク、スプーンなどがキレイである )

・提供された食事が極端に熱すぎない、冷めていない

・食事の途中などで、飲み物のおかわりはいかかがですか?と聞いてくれる

・食事をしっかり食べ終えてから、確認して下膳してくれる

・下膳した後の机を拭いてくれる

だいたいこんな感じのお店が、また来たいな思わせてくれる飲食店の接遇です。
もちろん提供されるお食事が美味しい事は言うまでもありませんが(;'∀')

老人介護施設において食事を提供する際にも僕は上記に書いたような接遇を心がけています。

それに加えて気を付けている事は、食事の際に使う道具、はし、スプーンフォークなどその利用者の身体状況に合わせて、どの道具が良いかを考えます。
そして食器なども何が入っているかしっかり確認できるような状態の食器やお盆を使うように提供しています。
更に食べこぼしがあり、服を汚されてしまう利用者はエプロンやタオルなどを使用して、服の汚れを防げるようにします。

ほとんどのフロアやユニットでは、あらかじめ誰がエプロンをつけるか、はしやスプーンは誰が使うかなどを決めていると思います。
決まっている指示書などを確認して配膳しましょう。

次に老人介護や身体障害者介護では食事形態に気を付けます。
・常食 ( 通常の状態で提供する )

・一口大 ( 主菜などを一口で食べれる大きさにカットする )

・刻み食 (荒刻み、刻み、極刻み )

・ソフト食 ( ほとんど噛まずに舌で潰せるくらいにしてある状態 )

・ミキサー食
( ムース状、ゼラチン状など 、嚥下状態の低下している利用者向けの食事形態)

大きく分けてこの4つの形状から利用者の食事状態に合わせて提供されます。

後に記事にしますが、トイレ介助の際のパッドサイズの選び方やトイレに案内する時間などにも記載しますが、飲んでいるお薬も含めて、食事形態も必ず周知しておかねばならない事の一つです。
食事形態を守らずに提供する事によって、むせ込みや窒息など利用者の生命に関わる事態となります。

最近でも特養で一人で部屋で食事をしていただいていた利用者が、5分後に確認に向かい訪室した所すでに窒息して亡くなっていた。
という事例があり食事を担当していた職員が見守り不足で死に至らしめたという事で有罪判決を受けています。

この事例のように1分でも目を離していると、窒息して命を落とす危険が十分にあるのが、食事の時間です。
なので利用者には楽しみで大好きな食事も、職員にとっては命を落とすかもしれないという危険を考えながら、見守りや一部介助をしていく事が必要です。
自分が加害者とならないようにリスク回避をしていく事が、自分の身を守る事になります。
なので早く食器類を片づけたいので、「早く食べて」という声かけ、食事が止まっている利用者に対して「全部食べて」という声かけをしている職員がいたら真似をせず、
逆に「ゆっくりお召し上がりください」や
「食べれる分まで食べていただければ無理しなくても大丈夫ですよ」
という声かけを心がけていきましょう。

あと「頑張って全部食べよう!!あと少しだから!!」
というような声かけや介助は利用者に圧迫感を与えるだけでなく、ほぼ虐待だと僕はとらえています。
無理して食事していただくことによって、むせ込みや窒息の危険が発生して、誤嚥性肺炎に繋がる場合もあるからです。

食事や飲み物が、食道を通らずに肺や気管に入ってしまうことを
誤嚥性肺炎と言います。
現場では誤嚥性とだけのみ使われることが多いです。
誤嚥性肺炎の特徴として、

・むせ込みがある

・発熱する
 (寒さを訴えている時はクーリングをしない。熱が上がりきるのを待つ、本人に寒気がないか聞く、体を触って熱いなと感じる )

・息をする時にゼイゼイと音が鳴る
 (喘鳴<ぜいめい>やピュー音などと記録する)

・顔色が赤くなる、青白くなる

・唇や手先、つま先が紫色になる
 (チアノーゼと言います)


・パルスオキシメーターで測定すると90%前半~80%後半である
 ( この数値が出た時は、呼吸器系に異常がある事を示します)

などの状態が現れます。

食事の際にむせ込みがあった利用者は食事のあとも、要観察で上記に書いたような症状が出ていないかを見ていきましょう。

確認の方法としては、利用者のいつもの状態 を1日でも早く把握する事が重要になってきます。
介護の基本は利用者のいつもの状態と違うからバイタル測定をしてみよう。
この対応が基本となってきます。

バイタル測定とは、血圧、脈拍、体温、酸素飽和度( spo2 )をそれぞれの機器を使い測定する事です。
血圧と脈拍は血圧計で測ります。
ただし介護職員が使用できるのはデジタル式の血圧計で、アナログ式やアネロイド式で測定する事は医療行為にあたるので注意が必要です。
日頃から電池が切れたら交換できるように、新しい電池を用意しておきましょう。

体温は電子体温計で測ります。表面体温を測るだけではなく深部体温を必ず測りましょう。主にわきの下に体温計を入れて測ります。

酸素飽和度とは血液の中にどれだけ酸素があるかを測る事で、パルスオキシメーターを使い測ります。
測り方は測定する場所を明るくする。利用者の手が冷たければホットタオルなどで指先を暖めるなどをしないと正確に測れませんので注意しましょう。

このようにバイタル測定をする事で数値的に利用者の状態を知る事ができます。
異常な数値が現れた場合は必ず看護師に連絡・報告・相談をして指示を受けます。
看護師がいない場合は近くにいる同僚や上司と情報を共有しましょう。

・誰が?

・いつ?

・どこで?

・どのように?

・どう対応したか

・今後の指示をいただけますか?
と上記の内容を報告・連絡・相談しましょう。
そしてバイタル測定をしたら、測定した時間、場所、利用者の状態、看護師に報告して受けた指示などを、他の職員が分かるように記録しておきましょう。

どのような数値が異常な数値なのかこれは自学してください。
介護職は自学の精神も大事です。学校の予習復習と同じです。

今回の宿題として
・血圧がどの数値になったら高血圧、低血圧というでしょう?

・頻脈(ひんみゃく)、徐脈(じょみゃく)とはどの数値からでしょう?

・体温測定で高体温、低体温とは一般的にどの数値が出てきたら判断するでしょう?

・酸素飽和度に異常がある数値はどれくらいで、どのような症状が現れるでしょう?

この記事の中に答えが含まれている物もあります。
さぁインターネットを使い検索してみましょう。

今はインターネットで辞書や参考書のように色々な事を調べる事ができます。
仕事中に分からない言葉が出てきて、忙しい中で先輩に聞くことができなかった時などはそのワードをメモしておいてひらがなでも良いので、〇〇とはと検索するとだいたいの事は検索できます。
スマホやPCを使って介護用語を調べる癖をつけておきましょう。

前回の接遇と整容についても同じくですが食事の際の注意と言っても、これだけの事に注意をして言語化して、後輩ができたら教えてあげなくてはいけません。
教え方も分かりやすく、簡単な言葉で、なるべく短い文章でが基本となってきます。

詳細はまた時間がある時に説明をすればいいので、今回の内容を後輩に伝えるならば、
「食事の時は利用者の食事形態が合っているかを確認して提供する事と、はしやスプーンが利用者の使いやすい物が入っているか確認してから、エプロンをつける人にはひと声かけてつけてもらって、ゆっくりお召し上がりくださいと言って食べやすい位置においてあげてください。分からないことが合ったらすぐに聞きに来てください。」
と僕は説明をして、詳細は下膳が終わってから説明すようにすると思います。

まだまだ食事の際に気を付ける事は沢山ありますが今回はここで終了とします。
ご完読ありがとうございました。