新人介護職員さんへのアドバイス 06

新人介護職員さんに読んでほしいブログです。
この記事を読むことによって、いち早く先輩職員さんとの人間関係が構築されます。
このブログは教科書や参考書に載っていない、リアルな老人施設介護の内容を新人職員さんに出来るだけ分かりやすく言語化して記事にしています。
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今回は食事介助についての記事になります。
前々回の記事は食事提供の際に気を付ける事を記事にしました。

食事介助を行う利用者には嚥下状態( 飲み込み )が悪い方、認知症が進み食事意欲がわかない方、身体状況(手指の拘縮がある)により自力摂取が困難な方など様々なタイプの利用者がいます。

僕が食事介助を行う時に気を付けている事を書いていきます。

配膳を行い箸やスプーンを持ってもらう。
なるべく最初は自分で食べていただけるように声かけをする。
食事意欲が無いようであれば、
「お手伝いさせていただいてもよろしいですか?」
と声をかけて判断します。

配膳をする際に気を付けたいのが、うまく食器を持つことができずに、お膳をひっくり返してしまったりする利用者がいるので必ず確認しながら配膳をすすめます。

必ず座って利用者の目線に合わせ介助します。
席につく際は利用者の横に座ります嚥下状態をのど元を見てしっかり飲み込めたかを確認するためです。
複数人を一人で介助する場合は特に横に座り口に食物が入ったら飲み込むまで席を離れないという事が鉄則になります。

何度も記事に書いていますが、食事の際の窒息などで死亡事故があった場合の裁判では、窒息する危険があったにも関わらず見守りや介助を怠ったという理由で有罪判決を受けてしまう介護職員が多くなってきました。
この事態は大変由々しき事態で裁判の前例ができてしまった事により、誤嚥性肺炎で入院を余儀なくされ死亡とまではいかなくとも介護事故だと認定されて仕うケースでの裁判で施設と介護職員が刑事告訴され有罪判決を受け、民事裁判で損害賠償請求をされるケースが多くなってきたように思います。

なので利用者の命を守るためにも、自分を守るためにも安全第一の気持ちを持って食事介助をしましょう。
「この人が食べている間にこの人を介助してよ」
と、キラキラ介護士やお局に言われてしまう事があるかもしれませんが受け流していきましょう。
事故があってもキラキラ介護士やお局さんは、守ってくれません。
守ってくれないどころか、むしろあなたを責め立てる事でしょう。

僕が一人で食事介助を複数人行う場合は、食介が早く終わるであろう利用者から順番に終わらせていきます。
あとは、早めに食べていただかないと座位保持困難で食べ疲れしてしまう利用者さまも早めに介助して食べていただきます。

まずはお茶やみそ汁、スープなどの液体を飲んでいただき、口の中を潤して飲み込みがしやすいような口内環境を作っていきます。
その後「どれから食べますか?」と聞ける利用者は食べる物を選んでいただき介助します。
選べない利用者に関しては、一つのおかずを一気に全部食べさせる事をせずに三角食べといって、主菜と副菜を交互に食べていただき食事の楽しみを味わっていただく事にしています。

先輩職員の中にはご飯の上におかずや、みそ汁を全部乗せて○○丼と言って食介をする人がいますが、ご家族がみたらどう感じるでしょう?
「あんなにぐちゃぐちゃなご飯食べさせられてる」
と悲しみや怒りを憶えるご家族もいるでしょう。
なので自分たちが食べるように好きな物から順番に主菜と副菜を交互に食べてもらうように介助していきましょう。

介助しているうちに口元が汚れてしまったりした場合は、かぶれの原因にもなるのでティッシュペーパーやおしぼりなどですぐに拭き取ってあげましょう。
口元が汚れている事で、それが気になり口を開けてくれない利用者もいるので気を付けていきましょう。

食事が終わったらお茶など水分を飲んでもらい、口の中にある食物残差が口腔ケアの前になるべく少なくなるように介助しましょう。
食物残差が残っていると、これも誤嚥性肺炎の原因になったり窒息の原因になります。
しっかりと口の中を確認して食物残差が無いようにしましょう。

例外で利用者からご飯の上に副菜を全部乗せてくれという訴えや、一部の副菜を乗せながら食べさせてほしいと言われる利用者もいるので、個人の希望に沿った介助して下さい。

水分提供時の注意点として、トロミ付き指定のある利用者は必ず規定量のとろみ剤を混ぜてから提供してください。
指定がない場合は薄くトロミを付けてから状態を見てとろみを強くしていきましょう。

人工透析を受けられている利用者は医師から1日の水分制限を受けている方もいます。
なので計算しながら、指定された水分量を超えないように提供しましょう。
一口の量もそれぞれの利用者に合わせた量を提供しましょう。

絶対に早く食べてもらって次の業務をしなくてはと強引に口を開けさせて介助しているというより食べさせているという食介は行わないでください。
介護事故の一番多い原因がこの思考です。
安全・安心な食事の時間を提供するように心がけましょう。
ご完読ありがとうございました。