なぜ僕は弾き語りをするのか

去年から始めた弾き語りについて書こうと思います。始めたきっかけは<自分の殻を破りたい>という思いからでした。この気持ちは10代からバンド活動を始めてバンドを組んだ時のリーダーの言葉です。


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このバンドに入りたいと思ったきかっけはとにかくボーカルのN氏がずば抜けて歌が上手い。
楽曲の完成度が高いという事がきっかけになりました。

近くのLIVEハウスでLIVEをやるので観に来て!!
と言われチケット購入してLIVEを観に行きました。

そのLIVEでギターが抜けるというMCがあり、
「チャンスだ!!」
と思った僕はLIVEが終わるなり直ぐに行きつけの楽器屋さんに行き、
N氏の連絡先を知っているであろう人達に連絡先を聞きまくりました。

要約電話番号をゲットして自分の思いを伝えるべく留守電に、
「以前から弾き語りやソロ活動を知っている時から一緒にバンドをしたいと思っていました。ギターリストが抜けるという事なので是非バンドに入れてていただきたく電話をさせてもらいました。お返事待っています。」
とあたかも好きな人に告白するような内容の伝言を入れました。

N氏との出会いは16歳の時に<24時間テレビ 愛は地球を救う>のボランティア活動に参加していた時でした。
僕たちは野外の建物の2階で募金の呼びかけをしていました。
そして吹き抜けの1階ではアマチュアミュージシャンのコンテストが行われていました。

僕もギターを小学生の頃から始めてバンドを組んだこともあり、当時椎名林檎さんも発掘された<ティーンズミュージックフェスティバル>に出場していました。
予選を勝ち抜き、愛知県のファイナル大会まで出場した経験がありましたが、メンバーとのいざこざがありバンドを脱退して次のバンドを探している最中でした。

その時に地元のデパートの外れで弾き語りをしているN氏に会いました。
それが初コンタクトでした。
「なんで弾き語りやってるんですか?バンド組めばいいのに…」
僕は疑問を持って聞きました。
N氏は
「バンドも組んでるけどまだLIVEで緊張してしまうから、自分の殻を破る為に弾き語りをしてるんだよ」
と教えてもらいました。

その言葉に僕は目から鱗が落ちました。
そして弾き語りの様子を見せてもらいました。
まずは誰もが知っている曲を歌い通りがかりの人に脚を止めてもらう。
歌もルックスもそれなりに良いN氏はすぐに10人程のお客さんを集めて喋り始めました。
内容は自分のバンドの宣伝でした。
そしてすかさずオリジナル曲を1曲弾き語りをして見せました。

そこからどんどんお客さんとの距離を縮めるかのごとく、
「誰か好きなバンドや歌があれば歌える曲があれば歌うのでリクエストお願いします。」
とリクエストをもらっていました。

ミスチルが好きな女性から何でもいいので歌ってほしいとリクエストがあり、さらっと歌ってしまいました。
それからどんどんお客さんは立ち止まり総勢50人ほどの人だかりが出来ていました。

とにかく衝撃的でした。
そして2時間程歌うとノートを取り出して観に来てくれていたお客さんに
「LIVE観に来てくれる気のある人はメアドか住所か電話番号を書いてくれませんか?」
と慣れた手つきでお客さんの情報を聞き出してファンを作っていました。

僕は感動してしまい。
「かっこいいです。バンド入れてもらえませんか?」
とお願いしましたが、
「今ギター居るからゴメン。」
といわれたのが初コンタクトでした。

それから1年程立ち24時間テレビのボランティアに参加している時に、
コンテストにソロで出場しているN氏を見つけたのです。
相変わらず歌は上手いのですが持って行ったオリジナルカラオケを何故かカセットテープに入れて持って行った為にチューニングがずれまくっていました。

25年前はMDやカセットテープが主流でソロの方で音源を持っている方はほとんどがMDに入れて持って行ったそうですがN氏はMDのデッキを持っていなかったので音源カラオケをカセットテープに入れてコンテストに持って行ったのです。
カセットテープの弱点は再生するデッキによってチューニングが狂ってしまう事でした。
N氏はコンテストで使うカセットデッキなんだからチューニングなんて狂うような安物は使わないだろうと思ったのだそうですが結果見事にチューニングがずれて審査委員にボロクソ言われていました。

それを見て僕はめちゃめちゃ笑い転げてN氏の所に行きました。
「残念でしたね!!」
と言うと
「ホントやわぁ。今回の曲自信あったんやけどなぁ…」
とぼやいていました。

それが本当にまともにコミュニケーションが取れた時でした。
そして冒頭にあるようにLIVEを観に行きギターが抜けてしまうというのでチャンスを逃すまいと、速攻に電話を掛けて留守電に伝言を残し連絡を待ちました。

3日後に電話がありオーディションをしたいからLIVEで配った無料テープをコピーしてくるのとオアシスの曲とイエモンの曲をコピーして来てくれと電話がありました。

当時は携帯電話が要約普及しだした頃で通話内容をあらかじめ決めておき必要最小限の言葉で伝えなくてはならなかったのを覚えています。

そしてオーディションも無事クリアしてLIVEを色々やって行こうと僕が提案して活動の幅を広げました。
そしてお客さんへの宣伝の為の弾き語りをギターの僕とN氏で行う事にしました。
思ったより集客は難しくN氏と頭を悩ませていました。

そこで再びあの<自分の殻を破る>という言葉を思い出して、自分たちから歩いている人たちに向かい話しかけて曲を聴いてもらう事を行動に移しました。
思いは的中してお客さんにチケットを買ってもらう事が出来たのです。

…そう全ての原点は20年以上前の弾き語りにあったのです。

今は父が慢性骨髄性白血病を患い介護離職中です。
その前から僕がうつ病を患っており安定した職に就けずにいました。
安定しない原因は人間関係すなわちコミュニケーション能力の欠如。
医師にも適応能力が欠けてしまっているから自立支援事業所での訓練をすすめられ見学に行ったのですが、はるかに自分より症状の重い方ばかりで僕は一般就労で働く事を望みました。
が、やっとついたアミューズメントセンターの職を腰痛の持病もあり退職してしまったのです。

父の介護を24時間家族と交代しながらやっていましたが段々と症状も良くなってきており<自分の殻を破る為>に弾き語りをスタートしたのです。
初心に帰る。
人生の再スタートだと決めて弾き語りをしています。
これからも時間が出来た時はどこかで弾き語りをしている。

父の病状も安定して復職活動も行いながら続けていきます。
こんな僕ですがよろしくお願い申し上げます。

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